ネット上のアクセス制限

http://r25.jp/magazine/ranking_review/10007000/1112008041706.html
今年2月、インターネットセキュリティ企業のネットスター社が、大企業のシステム管理者を対象に、ネット上のアクセス制限に関する調査を行った。その結果、大企業のおよそ8割が、アダルト系サイトや「2ちゃんねる」の閲覧制限をしていることが判明した。


内部統制の絡みで、情報漏えいの防止や高いセキュリティを維持するために、職場でのネット閲覧を制限されている話はよく聞く。自分の会社は今はそれほど厳しくはないけれど、それでもネットワークアクセスログを採るソフトの導入を次期検討中だ。


ネットワークのアクセス制限というものについては、前々から違和感があった。2ちゃんねるmixiへのアクセスを禁止する、その気持ちは分かる。ネットの匿名性や良い意味でない透明性に気付かずに、故意・過失問わず情報を流出させてしまう人間は後を絶たないだろう。(アダルト系サイトに関してはここで論じるつもりはない。家でいくらでも見ればいいじゃん!)
しかし、2ちゃんねるmixiのような巨大な情報群の中で無意識に行える、「情報の在り処を探し出す」「同じ内容について話せる人物を見つける」「膨大な情報の中から有用性を判断する」といった行動は、仕事を支えるスキルを習得できるものだろう。
たとえば当社がまだネットワークのアクセス制限をかけていないのは、何も無料オンラインゲームを推奨しているわけではなく、ネット上のとあるサイトに当社の必要とする情報が濃密に集約されていることも一因だ。また、営業の中では2ちゃんねるで生のエンドユーザの声を拾っている者もいるはずだ。(…内容、暈しきれてるかなw)


自分がネットワークのアクセス制限について感じている違和感は、上記を踏まえた上で、以下の2点に着地する。
1つは、「巨大な情報をシャットアウトするならば、その代替案というものを考えるべきではないのか」。もう1つは、「情報リテラシー教育の徹底は緊急に、また広範囲に渡って必須なのではないか」。
まず1つめの“代替案”については、色んな方面から見ても難しいのは間違いないとは思うのだけれど、膨大な情報を共有し、カテゴリ分けされ、尚且つ発言が出来る。時系列で追うことも可能で、コミュニティも形成できる。それでいて、個人からの内部情報流出はしない。そんな便利な場所が出来ればなぁ…って、虫のいい話ではあるけれど。
もう1つの“情報教育の徹底”は、もっと国家レベルで腰を上げるべきものだと思う。10代ぐらいの今の若い子はいいのかもしれない。生まれた時からインターネットが身近にあるものだからね。今最も問題なのは、自分も含め、大人になってから“教育を受けないまま”ネットを日常的に使うようになった人たちだ。この点についてはもっと手厚く教育プログラムが欲しいとさえ思う。


「ネットライフには危険性が伴うから、制限しましょう」「楽しいネットライフには、教育を受ける義務が伴いますが、後は個人の責任で」…どちらが今後のIT業界の発展に繋がるかは、考えるまでもないと思うのですが、極論でしょうか。