ヴォイス


月9の「ヴォイス〜命なき者の声〜」が面白いなぁと思って、ここのところ毎週見ています。


「遺体となる人が毎週いい人ばっかりだから見ててせつない」と友だちに言われて気付きました。
そうなんですよね。4週見てきて確かに毎週、死を迎える人は「いい人」「優しい人」ばかり。
でもこのニュース(ドラマの第1回でも同じ事を確か述べていましたが)を見ると、ドラマのテーマが際立つなぁと思います。

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20070517ik02.htm
 警察庁厚生労働省のまとめによると、05年の交通事故関係を除く変死体数は14万8475体で全死者の14%にあたる。変死体は、警察官らが検視し、犯罪性があると判断されれば、刑事訴訟法に基づいて司法解剖される。ほかの死因不明遺体は、知事の判断による行政解剖や、遺族の了承を得ての承諾解剖が行える。05年の司法解剖は4942体、行政・承諾解剖は8628体で総解剖数は1万3570体だった。(抜粋)

全死者中の14%の変死体、そのうちのおよそ9%ほどしか解剖は行われていない。
ドラマに出てくる遺体も、もし解剖を行われなければ(と言うか、それを元にした主人公の名推理っぷりがなければ、という話は今回置いときましょうw)「いい人」「優しい人」という印象を持たれることはなかった遺体なんですよね。今週で言えば、もし解剖が行われなければ、主人公グループの友だちだった「彼」が何を守ろうとして死を迎えたのか分からず、彼は単なる麻薬中毒者、それこそ序盤で刑事が口にしていた人物像のまま処理されていたかも知れないわけで。
解剖によって導き出される答えが、「死」という事実はもちろん変えられはしないのですが、真実を導き出して遺族、遺された者たちの心を動かしてくれる。そういうテーマがあるのだと思います。…まぁ、これもドラマ中で教授が言ってることなんですけどねw


先進国としては最低水準の日本の解剖率。そこに目を付けて問題提起しつつ、ヒューマンドラマとしても十分な面白さを持っていて、月9らしい華やかさも失ってはいないドラマだなぁと感心しながら見ています。
来週は純粋に謎解きっぽいですね。楽しみです。