悪口を言う心理

身の回りに居る“ある人”が他人の悪口を言い始めると、なぜか普通の人が言った時よりすごく嫌な気分になることに最近気が付いた。


いやもちろん、悪口なんてどんなものであれ、聞いていて気持ちのいい話ではない。
けど、場合によっては「まぁ、吐き出さなきゃやってらんないよね…」と同情めいた気持ちが湧くような人もいる。ざっくり例えれば「人に仕事押し付けて帰ってンじゃねーよ、あのハゲ課長!」と言う場合の「ハゲ課長」は悪口だけど、前段からの流れでまぁしょうがないのかな、と思う。


ところが、最初に言った「ある人」の場合、前段からの流れを聞いていても、悪口を聞いた瞬間、胸の中にもわーっと嫌な気持ちが広がるのだ。
現在悪口の対象になっているのはその人と自分の共通の上司なのだが、その上司にもかなり落ち度はあると思う。他の人が同じような悪口を言ったとしたら、「まぁ、そうも言えるかもねー」と苦笑いするぐらいで納められる気がする。
ただ、その「ある人」の場合には、悪口を言い始めたのを聞くと「そんなこと言わないでくださいよ」と眉をひそめて言いたくなってしまうのだ。
その人自身は、普段は気さくないい人だ。知識も豊富だし聞かれたことには丁寧に答えてくれる。もやもやはその人の人柄のせいというわけでもないらしい。



何故その人が悪口を言うともやもやするのだろう?としばらく考えてみたら、その人は悪口に常に同意を求めてくるからだ、と気付いた。



「○○さん(上司)はさ〜、分かんないくせにすぐ口出してくるんだよ」
「昨日も○○さんの文句が××部長たちから噴き出してさぁw みんなあの人の悪口しか言わなかったよ、うん」
…みたいな台詞を言いながら、「そう思うでしょう?」というようなニヤリとした視線が飛んできたり、時には「そう思わん?」と言葉で付け加わったりする。
「××部長たちも悪口言ってた」というのも、一種の囲い込みだと思う。
これが自分には酷くストレスに感じられるんだな、と気付いた。


もちろん、自分も悪口を言わないわけじゃない。けれど、聞いて欲しいだけで、別に全面同意して欲しいとは思ってないように思う。(「あぁ、それ分かる」ぐらいの部分同調はあれば嬉しいかもしれないけれど)


ただ、人についての評価は、自分自身で対面して下したい。その人の悪口に影響された形には一切したくない。むしろ邪魔。
にも関わらず、その人の悪口にはこっちの心にぐいぐいとどす黒い面積を広げようとする意思があるかのようで、辟易してしまうのだ。


最近は、その人が悪口を言い始めると、自分がおそらく露骨に嫌な顔をしているような気がしてならない。